フジテレビの港高一全社長が、2004年に放送されたバラエティ番組「退屈貴族」における事故の隠蔽に関与していたことが明らかになりました。この件は、ジャーナリストの中川一徳が内部文書を基に報じたもので、事故の詳細は衝撃的です。
2003年12月4日、番組のロケ中に74歳の男性がダンボールの上を歩くというシーンが撮影されました。男性は火渡りの際に重度の火傷を負いましたが、スタッフは病院に運ぶことなくタクシーで自宅に送り返しました。その後、男性の状態は急速に悪化し、最終的には隣人によって救急車で病院に搬送されました。彼は重度の火傷と多機能不全により、2007年に死亡しました。
この事故は放送翌日から視聴者の間で大きな反響を呼びましたが、フジテレビは事故の公表を行わず、社内調査も不十分でした。当時の政策部長やプロデューサーは謝罪をしましたが、責任を問われることはありませんでした。さらに、港社長はその後も出世を果たし、バラエティ制作センターのポストに昇進しています。
中川氏はこの事件について、事故の隠蔽がいかに深刻であるかを指摘し、過去の悪業が掘り返されるフェーズに入ったと述べています。警察の関与も示唆されており、業務上過失障害の書類すら作成されていないという状況に、世間は驚きを隠せません。
この問題は、メディアの倫理や事故に対する責任の在り方を再考させる重要な事例となるでしょう。フジテレビに対する信頼は揺らぎ、今後の対応が注目されます。