6日午前9時半過ぎの韓国・ソウル市内。
大統領経験者の妻が捜査機関に出頭する様子が公開されるという初の事態を前に、シュプレヒコールを上げる市民と多くのメディアが詰めかけ騒然としていました。
そして午前10時過ぎ、姿を見せたのは尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の妻・金建希(キム・ゴンヒ)夫人。
株価操作やブランド品の不正な受け取りなど複数の疑惑を巡り、取り調べを受けるため特別検察官の事務所に出頭したのです。
上下黒のスーツに身を包んだ金夫人は、うつむき加減で視線を下に向けたまま、ゆっくりと建物の中へ。
2階に上がると報道陣の前に立ち止まり、言葉を発しました。
金建希夫人:
国民のみなさまに、私のような何でもない人間がご心配をおかけして、心より申し訳ありません。捜査をしっかり受けてきます。(Q.国民にもっと伝えることはありませんか?)いつも申し訳ありません。(Q.ブランドバッグやネックレスは受け取ったのでしょうか?)…。
金夫人は矢継ぎ早に飛ぶ記者からの問いかけには答えることなく、取り調べを受けに向かいました。
夫の大統領在任当時は、独自のファッションなどで注目され、ネット上にファンクラブまで登場。
一部でアイドル並みの人気を集めた金夫人でしたが、聯合ニュースによりますと、今回、捜査対象となる金夫人の疑惑は16に上るということです。
具体的には、知人が経営するドイツ車輸入販売会社の株価操作への関与や旧統一教会の関係者から不正に高級ブランドのバッグやダイヤのネックレスなどを贈られた疑惑などです。
2025年4月には、検察が尹前大統領夫妻と旧統一教会幹部との関連を調べるため自宅に家宅捜索に入りました。
そして7月30日には、特別検察官が旧統一教会の元幹部ユン・ヨンホ容疑者を逮捕。
ユン容疑者は2022年に金夫人と親しいとされる占い師を通じて高級ブランドのバッグやネックレスを贈り、見返りとして、教団がカンボジアで進めていた開発事業などへの政府支援を求めた疑いが持たれています。
今回の金夫人の出頭により、一連の疑惑を巡る取り調べが本格化し、夫人に対し今後、複数回にわたって取り調べが行われる可能性があるとみられています。