4日夜、神奈川・横浜市で開催されていた花火大会で花火が爆発した事故。
一体なぜ、このような事故となったんでしょうか。
専門家は“ある可能性”を指摘しています。
5日朝の横浜・みなとみらい。
事故から一夜明け、上空からカメラが捉えたのは、海に浮かぶ「台船」です。
5日午後3時ごろ、火事から19時間経って、ようやく台船がえい船されていきました。
激しい火災の爪痕が残る台船。
花火の筒は熱で溶けてしまったのか原形をとどめておらず、海上保安庁などが事故原因の調査を進めています。
4日午後7時45分ごろに撮影された映像を見ると、海に浮かぶ打ち上げ用の台船から炎と黒煙が上がり、花火が水面に近い位置で爆発しているのがわかります。
約2万発の花火が打ち上がる予定だった、首都圏最大級の花火大会。
横浜の夜空に上がる花火をひと目見ようと、多くの人が集まっていました。
ところが、午後7時半に花火の打ち上げが始まると、わずか15分ほどで事故が発生。
上空に打ち上がるはずの花火が海面に向かって落ちていくように見えます。
火の玉のようになった花火が斜めに向かって飛ぶ、危険な状況に。
見物客などを乗せた船に、爆発した花火の火の粉が降りかかりそうになっていました。
そして、「安全上の理由により、この時点で中止とさせていただきます」というアナウンスが。
この事故で2隻の船が炎上。
船には5人の作業員が乗っていましたが、作業員全員が海に飛び込み、救助されました。
横浜では1989年にも花火大会で事故が起きています。
打ち上げ花火が爆発し、7人が重軽傷、2人の花火師が亡くなりました。
最盛期を迎え、各地で事故が相次いでいます。
兵庫県では、花火が筒の中で爆発する事故が発生。
福岡県でも仕掛け花火の火が河川敷の草むらに燃え移る火事が起き、大会が中止となりました。
そんな中で起きた今回の事故。
横浜市によると、音楽とともに打ち上がる花火をコンピューターによって制御していましたが、火災発生から1分ほどの初期段階で打ち上げを中止する操作を行ったものの、停止しなかったということです。
今では、ほとんどの花火大会で導入されているコンピューター管理。
現場から離れた場所で点火をコントロールするものです。
花火師の資格を持つ花火研究家・冴木一馬さん:
今、結局音楽に合わせてあげるので、昔よりは玉数はどんどん増えてます。やっぱり延焼する確率は大きいですね、玉数が増えるということは。火薬に燃え移って電気のコードが燃えちゃってるので、何も操作が利かないってことですね。
海上保安庁などは、事故原因の究明を進めています。