福本清三さんは、数えきれないほどの時代劇に出演し、「5万回斬られた男」として知られる伝説の俳優です。しかし、彼の人生には多くの知られざるエピソードが秘められていました。2021年1月1日、肺がんによって77歳で亡くなった福本さんの生涯を振り返ります。
本名は橋本清三。兵庫県出身で、1961年に東映京都撮影所に大部屋俳優として入社しました。しかし、彼のキャリアは厳しいものでした。借金生活に苦しみ、アパートの頭金も用意できず、何度も他人からお金を借りる日々が続きました。周囲には華やかなスター俳優が多く、福本さんは自分の存在感のなさに悩むことも多かったと言います。それでも彼は芝居を続けることを選び、その粘り強さが彼の演技力を育みました。
25歳で結婚した福本さんは、できちゃった結婚でした。新婚生活は家具も少ない貧しいものでしたが、彼の妻は彼を支え続けました。時代劇での切られ役としての需要が高まり、福本さんはその後、数多くの作品で華々しい散り方を演じる熟練の俳優として認知されるようになりました。特に、2003年のハリウッド映画『ラストサムライ』では、トム・クルーズ主演の作品で沈黙の侍役を演じ、世界的にその名を知られることとなりました。
福本さんは契約社員として東映に在籍しながらも、年収は1000万円以上との噂もありましたが、彼自身はお金を追求することなく演技を愛していました。2014年には初主演を果たし、映画『ウライムライト』での演技が評価されました。
福本さんの私生活では、結婚相手と2人の子供がいますが、詳細はあまり知られていません。彼の存在は多くのファンに愛され、亡くなった後もその影響力は色あせることはありません。彼のストイックな姿勢や情熱は、日本の映画界に大きな足跡を残し、今も多くの人々に感動を与えています。福本清三さんのご冥福をお祈りいたします。