特殊詐欺についてお伝えします。警察によりますと、宮崎県内での特殊詐欺の被害は、今年1月から6月末までに60件あり、被害額はおよそ2億3663万円と、去年の同じ時期に比べ39件増え、被害額も1億9913万円増加しています。
また、これとは別にSNS型ロマンス詐欺の被害は35件で、被害額はおよそ5億1394万円にのぼるということです。この特殊詐欺とSNS型ロマンス詐欺を未然に防いだとして、7月、宮崎北警察署から銀行員に感謝状が贈られました。銀行員が見抜いた詐欺の手口とは。
7月、宮崎北警察署から感謝状が贈られたのは、宮崎銀行・霧島町支店の黒田慎司さんと井上京子さん、福重萌香さんの3人です。福重さんには、6月にも感謝状が贈られています。井上さんは5月30日、40代の女性から、ATMでの振り込み方がわからないと、窓口で相談を受けました。
(宮崎銀行霧島町支店 井上京子さん)
「『どういった形で振り込みされますか?』と聞いたら、『こちらの銀行に』という風にメモを出してもらったので、そのメモを見たら『守秘義務』に黒丸がされていたので、『守秘義務って何ですか?』と逆に聞いたら、お客様のほうもちょっと分からないという感じで、不安でオドオドしてる感じだったので、守秘義務って詐欺っぽいなと直感で思って」
詐欺を疑った井上さんは、上司の黒田さんに女性への対応を引き継ぎました。
(宮崎銀行霧島町支店 黒田慎司次長)
「アメリカの国際電話から、お客さんの携帯に電話がかかってきて、カードとかそういったものの未利用分を払ってくれとかいう風な内容だったんですけど、私とここで5分くらい話してたんですけど、ずっとその間も、お客さんのスマートフォンに、海外の電話番号から、10件くらいかかってきていた。おかしいですよね」
女性が「裁判所に訴えられている」という内容の話もしていたため、黒田さんと井上さんは、詐欺の可能性が高いことを女性に説明。およそ30万円の振り込みを未然に防いだうえで、警察への相談を促しました。
一方、福重さんは、7月に窓口を訪れた60代の男性が、凍結された口座に、2万円を入金しようとしていることに気づきました。男性は、数日前にも、同じ口座に1万円を振り込んでいましたが、口座が凍結されていたため払い戻されていました。また、話を聞くと、LINEで、「3回振り込めば女性に会える」というメッセージが届いたなどと話していたため、詐欺の可能性を疑い、警察に通報。被害を未然に防ぎました。
(宮崎銀行霧島町支店 福重萌香さん)
「金額も全然関係なく、本当にそこらへんに(詐欺の可能性が)転がっていることが多いので、本当に気をつけないといけないなと思いました」
警察は、「少しでも違和感を感じたら、家族や友達、警察にとにかく相談してほしい」と注意を呼びかけています。