家の鍵をなくしてしまった。
そんな不測の事態に役立つのがスペアキー、合鍵です。
一方で、その合鍵を悪用した事件も多発しているんです。
ソレってどうなの?4日のテーマは「逮捕者も…合鍵を勝手に作成 対策は」です。
5日、東京都内の鍵専門店を取材すると、注文していた合鍵を引き取りに来た客の姿がありました。
そんな合鍵を巡って、注目を集めている事件が。
7月、女子大学生の自宅に侵入したなどの疑いで男が逮捕されました。
手口に使われたのが、勝手に作った合鍵でした。
その事件が起きたのは2025年4月ごろ。
職場の店長とアルバイトの関係だった2人。
男は、職場のバックヤードで女性のかばんの中にあった鍵をスマホで撮影。
その写真をもとにインターネットで注文し、合鍵を勝手に作っていたのです。
そして、女性がアルバイトで留守の間、少なくとも13回、家に侵入していたとみられています。
勝手に合鍵を作って住宅に侵入する同様の事件は後を絶ちません。
このように、インターネットで合鍵を作っていたことについて、街では「作れるんだ。怖いね」「身の回りの信頼している人とか、意外とそういうところで悪いことしてるんだ。怖い」「それは怖すぎるというか、めちゃ怖いですね。写真とか写ったら、それで作られちゃう可能性もあると思ったら怖い。対策した方がいいかなと思いました」などの声がありました。
本当に写真だけで合鍵が作れるんでしょうか。
カギの救急車・錦糸町店の島津高広さんに教えていただきました。
カギの救急車・錦糸町店 島津高広さん:
純正キーなんですけど、メーカー名と合わせて、こちら裏面にキー番号が記載されています。カギによって番号は異なります。キー番号での注文は、インターネットでできてしまいます。
鍵には、数字とアルファベットを組み合わせたキー番号が1つ1つに割り当てられています。
この鍵ごとの情報さえあれば、合鍵を作ることができるというんです。
カギの救急車では、悪用などを防ぐためにネットでの注文は受け付けず、鍵の現物持ち込みしか対応はしていませんが、他の業者では…。
実際にネットで検索しますと、写真や番号だけで合鍵を作れるなどとうたうサイトが多くありました。
こうした状況について、防犯アドバイザーの京師美佳さんは、「インターネットで合鍵が作れる、番号を伝えるだけでも作れるというもの。そもそも犯罪、違法行為にはならないです。本当に持ち主の方が(カギの)現物がなくて、過去に撮っていた写真を基に作ろうとする場合があるが、それが本当なのか、本人なのか確認するすべがない」と指摘しています。
青井実キャスター:
簡単に作れるし、違法じゃないということですが、どうですか?
SPキャスター・山口真由さん:
そもそも賃貸物件の場合には、許可のない合鍵の作成というのは契約上禁止されていることが多いですよね。合鍵がこんなに簡単に作れるのはおかしいので、身分証の提示を義務付けるとか、法的な規制が必要かもしれないですよね。
青井実キャスター:
本当に怖い事件ですが、対策はどうしていけばいいのか。勝手に合鍵を作られないためにもまず、どのような対策が有効なのか鍵のプロに聞きました。
カギの救急車・錦糸町店の島津高広さんは、「キーキャップという製品、カバーをかけてキー番号を隠す役割をしている」と話します。
また、キー番号を隠すシールも注目されています。
開発した業者によりますと、シールが剥がされると跡が残るため、誰かに番号を見られたら分かる仕組みになっておりまして、シールそのものに貼り替え防止のための番号が印字されているというんです。
そして、防犯アドバイザーは「何より大切なのは鍵の扱い方だ」と指摘します。
防犯アドバイザー・京師美佳さん:
やはりカギを表に出さない努力をしていただくこと。肌身離さず人の目に触れないように財布と一緒に扱っていただく方がいい。条例とか、すぐに対応できるようなところで(合鍵を作る際)身分証を義務づけるような動きをしていただけると、より効果があるのではないか。
勝手に合鍵を作られないために、自分の身は自分で守るしかないというのが今の現状なんですけれども、今後は法的な整備の検討も必要なのかもしれません。