北アルプス唐松岳で単独で登山をしていた名古屋市の59歳男性が27日、体調不良により行動不能になりました。翌28日、男性は長野県山岳遭難常駐隊と同行下山し、救助されました。けがはないということです。
救助されたのは名古屋市の会社員の男性(59)です。
警察によりますと、男性は27日、1泊2日の予定で単独で八方尾根登山口から入山し、27日夕方、唐松岳山頂付近の山小屋(標高約2600メートル)で体調不良により、行動不能となりました。
男性は県山岳遭難常駐隊に「具合が悪い」と頭の痛みなどを訴え、この日は山小屋に宿泊しました。一夜明け、自力下山は困難だったため、県山岳遭難常駐隊と同行下山し、28日午前11時過ぎ、救助されました。
警察によりますと、男性は高山病とみられるということです。
長野県内の山岳では遭難が相次いでいます。長野県警によりますと、遭難の多くは、下山時に集中しています。特に暑い今の時期は、登山者が気温や高度差で体力を消耗し、疲労とともに注意力も散漫となって整備された登山道でも、浮石やガレ場などちょっとした不注意でバランスを崩して転倒することがあります。もうすぐゴールと油断しがちなタイミングこそ、最大のリスクが潜んでいるため、最後まで気を抜かずに登山するよう呼びかけています。
長野県内は夏本番の厳しい暑さとなっていて、標高の高い山域でも疲労や熱中症などにより動けなくなることがあります。
県警は「余裕ある登山計画を立てる」「こまめに休憩を取り、意識して水分・エネルギーを補給する」「下山するまで体力や集中力を切らさない」など注意を呼びかけています。