福岡県大牟田市の化学工場で27日、塩素系ガスが漏れ、周辺住民など60人以上が病院で手当てを受けました。
警察などは28日、原因究明のため三井化学大牟田工場の立ち入り調査に入りました。
◆記者リポート
「午前10時すぎです。消防と警察とみられる車が入っていきます」
警察などが28日に立ち入り調査に入った三井化学大牟田工場。
三井化学によりますと27日午後5時40分ごろ、工場の敷地内にあるプラントから塩素系のガスが敷地外に漏れ出しました。
近くには住宅街もあり一時、騒然としました。
◆異臭を感じた男性
「ものすごい強いにおい。みんなが口をふさいで、頭が痛いとかせきが出たりとか」
◆子供3人を介抱した女性
「2人吐いていて。男の子がいて、ものすごく吐いてせきが止まらなかった。救急隊の方が来ていたので診てもらって」
約2時間後にガス漏れは収まりましたが、周辺の住民ら62人が体調不良を訴え病院で手当を受ける事態になりました。
重症者はいないとみられていますが、少なくとも5人が入院しました。
このガス漏れにより27日開催されたイベントにも影響が…。
ガス漏れが発生した当時、市内では毎年大勢の人でにぎわう「おおむた『大蛇山』まつり」が開かれていましたが、安全面を考慮して途中で急きょ中止になるなど、地域にも大きな動揺が広がりました。
三井化学大牟田工場は「被災された方や近隣の方々などに多大なご迷惑とご心配をおかけして大変申し訳ない」とコメントしています。
警察は業務上過失致傷の疑いも視野にガス漏れの原因を調べています。