上半期「酪農業」倒産が4年ぶりにゼロ コロナ禍の“消費減”窮状から一転…チーズ購入額は右肩上がり

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上半期における日本の酪農業が、4年ぶりに倒産ゼロを達成した。新型コロナウイルスによる消費減少からの回復が、業界を救った背景には、チーズ購入額の増加がある。千葉県伊泉市の牧場では、200頭の牛を飼育し、毎日約2000リットルの牛乳を生産。コロナ禍の影響で大量廃棄の危機に直面した酪農家たちが、政府の「もう1杯飲もう」キャンペーンを受けて立ち上がった結果が、今の成功に繋がっている。

帝国データバンクの調査によると、今年の上半期における酪農業の倒産件数はゼロ。生産者たちは、加工品の販売が収益を支えていると分析。特に自社製のチーズやジェラートは、価格調整が容易で、高単価な商品として利益を上げている。チーズの購入額は年々増加しており、昨年は過去最高の7096円を記録。

しかし、喜ばしいニュースの裏には、厳しい現実も潜んでいる。猛暑が続く中、牛たちの体調が心配されており、冷却装置の電気代が重くのしかかっている。また、米価格の高騰により、餌不足の懸念も浮上。生産者たちは、厳しい環境の中での生き残りをかけた戦いを強いられている。

酪農業は回復の兆しを見せているが、依然として数々の課題が残されている。業界の未来は、引き続き注視が必要だ。

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