週末、北アルプスで遭難7件相次ぐ 滑落して1人死亡 3人重傷、2人が道迷い、1人が体調不良で行動不能となりヘリコプターなどで救助 長野県警が注意呼びかけ

8月16日(土)、17日(日)、北アルプスで山岳遭難が7件発生し、1人が滑落して死亡しました。また3人が重傷を負い、2人が道迷い、1人が体調不良により行動不能となり救助されました。長野県警は「自分の技量に見合ったルート選びをする」「余裕ある登山計画を立てる」など注意を呼びかけています。

■鹿島槍ヶ岳 女性が滑落して死亡

16日、北アルプス鹿島槍ヶ岳付近(標高約2500メートル)で愛知県小牧市の看護師の51歳女性が滑落し、17日、救助されましたが、死亡が確認されました。

警察によりますと、16日午前9時前、「同行者が滑落した」と110番に通報がありました。

女性は15日、3人パーティで入山し、16日、八峰キレット付近で滑落したということです。

長野県警のヘリコプターが出動しましたが、天候不良により中断しました。

17日朝、長野県警のヘリコプターが出動し、午前10時過ぎに女性を救助しましたが、死亡が確認されました。

警察によりますと、女性は150~200メートル滑落したとみられます。

■天狗ノ頭付近で滑落 重傷

16日、北アルプス天狗ノ頭付近で埼玉県越谷市の会社員の65歳男性が滑落し、大けがをして、ヘリコプターで救助されました。

男性は16日、北アルプス唐松岳に登山中、天狗ノ頭付近の登山道上(標高約2700メートル)で足を滑らせてバランスを崩して滑落しました。

午前7時過ぎ、同行者から消防に救助要請があり、午後0時半ごろ、長野県消防防災ヘリで男性を救助し、松本市内の病院に搬送しました。左手の骨折などで重傷です。

男性は15日、2人パーティで猿倉登山口から入山していました。

■槍ヶ岳 道迷いで行動不能

16日、北アルプス槍ヶ岳の北鎌尾根(標高約2700メートル)で静岡県浜松市の会社員の46歳男性が行動不能となり、ヘリコプターで救助されました。

男性は16日、北鎌沢付近を登山中、道に迷い、北鎌尾根の急峻な場所に入り込み、行動不能になりました。

男性の関係者から午前7時頃、「動けなくなり、登れないし、下れない」と警察に救助要請があり、長野県警ヘリが出動し、午前11時過ぎに、男性を救助しました。

男性にけがはない模様です。

男性は14日、単独で上高地登山口から入山していました。

■唐松岳 道迷いで行動不能

16日、北アルプス唐松岳で埼玉県さいたま市の28歳男性が登山中に道に迷い、行動不能となり、救助されました。

男性は16日、唐松岳付近を登山中、道に迷い登山道から外れ、行動不能になりました。

通りがかりの登山者から正午前、「男性がぬかるみにはまって、動けない」と長野県山岳遭難防止常駐隊に救助要請があり、同隊員が出動して、午前11時半ごろ、男性を救助しました。

男性にけがはない模様です。

■小蓮華山 体調不良で行動不能

16日、北アルプス小蓮華山で登山をしていた東京都武蔵野市の会社員の女性が体調不良により行動不能となり、救助されました。

女性は16日、小蓮華山付近を登山中に体調不良により行動不能となりました。

警察によりますと、午後3時半頃、本人から「めまいと頭痛がする」と消防に救助要請がありました。

長野県山岳遭難防止常駐隊が出動して、午後7時過ぎに女性を救助し、付近の山小屋に収容しました。

女性は16日、2人パーティで栂池登山口から入山していました。

■常念岳 転倒して重傷 

北アルプス常念岳で千葉県浦安市の会社役員の57歳女性が登山中に転倒し、大けがをして、ヘリコプターで救助されました。

17日午前6時半過ぎ、山小屋から「ひざを痛めた登山者がいて、一晩、様子を見たが、自力歩行ができない状態」と警察に救助要請がありました。

女性は16日、4人パーティで一ノ沢登山口から入山し、常念乗越に向けて登山中、バランスを崩して転倒して、けがをしました。その後、付近の山小屋に行き、朝まで様子を見ましたが、痛みがとれなかったということです。

女性は17日午前10時ごろ、長野県消防防災ヘリで救助され、松本市内の病院に搬送されました。右ひざの骨折で重傷の模様です。

■唐松岳 滑落して重傷

17日、北アルプス唐松岳で登山をしていた京都府宇治市の自営業の57歳女性が滑落し、大けがをして、ヘリコプターで救助されました。

女性は17日、2人パーティで八方尾根登山口から入山し、唐松岳から下山中、滑落して、けがをしました。

正午前、同行者から付近の山小屋に救助要請があり、長野県山岳遭難防止常駐隊が出動して、午後2時前、長野県警ヘリで女性を救助し、大町市内の病院に搬送しました。左下腿骨折で重傷です。

■長野県警が注意呼びかけ

この週末も、北アルプスで遭難が相次ぎました。長野県警は「自分の技量に見合ったルート選びをする」「余裕ある登山計画を立てる」「夏でも雨や強い風にあたると低体温症になる」「こまめに休憩を取り、意識して水分・エネルギーを補給する」「下山するまで体力や集中力を切らさない」など注意を呼びかけています。

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