宮城県警は8月16日、仙台市青葉区のひとり暮らしの70代女性が、金2400グラム時価4200万円相当をだまし取られる特殊詐欺被害が発生したと発表しました。
県警は9日にも、青葉区の80代女性が1060万円相当の金をだまし取られる被害が発生したと発表しています。
今回の事件の経緯は以下の通りです。
■2025年7月19日
女性の自宅の固定電話に、携帯電話会社の職員を名乗る人物から電話があり「あなたの名義で契約されたスマートフォンが犯罪に使われている」と告げられました。
その後大阪府警本部捜査二課の警察官を名乗る男2人へと電話が転送され、「あなたがマネーロンダリング事件に関わっている疑いがある。守秘義務があるので他の警察にも情報を漏らしてはいけない」などと伝えられました。
口止めすることで、他の人に事件が察知されるのを防ぐ目的があったとみられています。
また、通信アプリのアカウント登録をするようにも指示され、身の潔白を証明したい女性は指示に従いました。
■7月23日
19日とは別の、大阪府警本部捜査二課の警察官を名乗る男からビデオ通話の着信がありました。制服姿の男がいたため、女性は警察官だと信用してしまいました。
その警察官や検事は、「資金調査の必要があるので、貴金属販売店から金を購入してください」と女性に指示。
女性は貴金属店に電話をして、金1700グラム時価3000万円相当を購入しました。
■7月25日
女性は警察官を名乗る男などからの指示通り、届いた「金」を封を開けないまま、自宅の門柱の上に置いたところ、持ち去られたということです。
■7月28日
さらに金700グラム1200万円相当を購入するよう指示を受けた女性は、この指示にも従い、同じように自宅敷地内に置いたところ、これも持ち去られました。
■8月15日
何度も金を購入させられることを不審に思った女性が警察に相談。被害が発覚しました。
宮城県警は8月16日に被害届を受理し、特殊詐欺事件とみて捜査しています。
県警は「警察がビデオ通話へと誘導したり、金を購入させることはないので、こうした電話があった際はすぐに相談してほしい」と注意を呼びかけています。