【戦後80年】作家・那須正幹さんの遺稿が絵本として出版され、広島の被爆体験を語り継ぐ重要な作品となりました。この絵本『約束 僕らは絶対戦争しない』は、戦争の悲惨さと平和の重要性を伝えるために、那須さんが生前に残したメッセージを基にしています。特に、被爆から80年を迎えた今年、彼の言葉が新たに形を変え、次世代に届けられることは、まさに時代の緊急な呼びかけです。
那須さんは3歳で広島の原爆を経験し、その後の人生で多くの作品を通じて戦争の恐ろしさを訴えてきました。この絵本は、現代の広島を舞台に、中学生の視点から、被爆で一人ぼっちになった祖母との交流を描きます。作画を手がけた武田美沙さんは、那須さんが戦争の実態を伝え続けることの重要性を語っていたことを思い出します。「命が大切だから、戦争は絶対にしてはいけない」と、彼の強い意志がこの作品に込められています。
絵本の原稿は、もともと歌詞として書かれたもので、那須さんの死後に公表されました。その内容は、戦争を知らない子供たちに向けた重要なメッセージです。彼は「沈黙した途端、戦争はすぐ近くに忍び寄る」と警告しており、私たち一人一人が声を上げ続けることの大切さを強調しています。
この絵本は、戦後80年の今、平和を考えるきっかけとして、子供たちや大人たちに訴えかけています。広島で行われる平和をテーマにしたコンサートでは、この作品が朗読される予定です。那須さんの思いを受け継ぎ、未来を見据えた行動を促すこの絵本を、ぜひ手に取ってみてください。