原爆投下から3日後に路面電車の運転再開…“運転士第1号”の10代少女が語るあの日の記憶「頭が真っ白で、何も考えられなかった」【戦後80年】

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広島、原爆投下からわずか3日後、復興の象徴である路面電車が運転を再開しました。この歴史的な瞬間を体験したのは、当時10代の少女、中村森野さん(97歳)。彼女は、戦争の影響で男性が戦場に駆り出される中、運転士第1号として電車を操縦しました。

「頭が真っ白で、何も考えられなかった」と中村さんは語ります。彼女が運転した路面電車は、焼け野原となった広島の街を走り抜け、復興の希望を運ぶ存在となりました。原爆の直後、彼女たち女学生は、30人の同級生を失いながらも、再び電車の運転を始めました。「水を求める声が響いていた。その時、どうすることもできなかった」と彼女は回想します。

この少女たちの勇気ある行動は、広島の復興を支える重要な一歩でした。中村さんは、あの日の記憶を語り継ぐことが、同じ悲劇を繰り返さないためだと強調します。「人の命を取ることはしてほしくない」と、彼女の願いは今も色あせることはありません。

今日も広島の街を走る路面電車は、平和への思いを乗せ、未来を見つめています。戦後80年を迎え、彼女たちの記憶は、私たちに何を伝えようとしているのでしょうか。

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