写真だけで合鍵を作り、女性宅に侵入するなどの事件が問題となっている。
カギには、キー番号がひとつひとつに割り当てられており、情報さえあれば無断で合鍵を作ることができるという。
ネットで「勝手に作った」合鍵が問題に
家のカギをなくしてしまった、そんな不測の事態に役立つのがスペアキー、合鍵だ。一方で、その合鍵を悪用した事件も多発している。
テーマは、「番号から合鍵作成…防衛策は？ソレってどうなの」だ。
東京都内にあるカギの専門店を取材した。
カギの救急車・錦糸町店員：
こちらカギになりますね。お待たせいたしました。
注文していた合鍵を引き取りに来た客の姿があった。そんな「合鍵」を巡って注目を集めている事件がある。
7月24日、同僚の女子大学生の自宅に侵入したなどの疑いで51歳の男が逮捕された。
手口に使われたのが 「勝手に作った」合鍵だった。事件が起きたのは今年4月頃、2人は職場の店長とアルバイトの関係だった。
男は職場のバックヤードで、女性の鞄の中にあったカギをスマホで撮影し、その写真をもとにインターネットで注文し、合鍵を勝手に作っていた。
女性がアルバイトで留守の間、少なくとも13回家に侵入していたとみられる。勝手に合鍵を作って住宅に侵入する同様の事件は、あとを絶たない。
インターネットで合鍵を作っていたことについて、街で聞いてみると…
街の人：
作れるんだ。怖いね。
街の人：
身の周りで信頼している人とか、意外とそういうところで悪いことしてるんだ。怖い。
街の人：
それは怖すぎるというか、めちゃ怖いですね。写真とか映ったらそれで作られちゃう可能性もあると思ったら怖い。対策した方が良いかなと思いました。
では、本当に写真だけで合鍵が作れるのだろうか？カギの救急車・錦糸町店の島津高広さんに聞いた。
カギの救急車・錦糸町店 島津高広さん：
純正キーには、メーカー名と合わせて裏面にキー番号が記載されています。カギによって番号は異なります。キー番号での注文は、インターネットで出来てしまいます。
カギには、数字とアルファベットを組み合わせたキー番号がひとつひとつに割り当てられている。このカギごとの情報さえあれば合鍵を作ることができるという。
「カギの救急車」では、悪用などを防ぐためにネットでの注文は受け付けず、カギの「現物持ち込み」しか対応はしていない。
ネットで合鍵作るのは合法なのか？
しかし、ネットで検索すると他の業者では「写真や番号だけで合鍵を作れる」などとうたうサイトが多くあった。
こうした状況について、防犯アドバイザーの京師美佳さんはこう指摘する。
防犯アドバイザー・京師美佳さん：
インターネットで合鍵が作れる、番号を伝えるだけでも作れるというものなので、そもそも犯罪・違法行為にはならないです。本当に持ち主の方が（カギの）現物を無くして、過去に撮っていた写真を基に作ろうとする場合もありますので、それが本当なのか、本人なのかどうか確認するすべがないんですね。
合鍵の無断作成防ぐにはどうしたら？
イット！のスタジオでは…
青井実キャスター：
簡単に作れるし、違法じゃないということですが、山口さんどうですか？
SPキャスター山口真由さん：
そもそも賃貸物件の場合には、許可のない合鍵の作成は契約上禁止されていることが多いですよね。こんなに簡単に作れるのっておかしいので、身分証の提示を義務付けるとか、何か法的な規制が必要かもしれないですよね。
では、勝手に合鍵を作られないためにはどのような対策が有効なのか、カギのプロに聞いた。
カギの救急車・錦糸町店 島津高広さん：
キーキャップという製品があり、カバーをかけていただくことでキー番号を隠す役割をしている。
また「キー番号を隠すシール」も注目されている。
開発した業者によると、シールがはがされると跡が残るため誰かに番号を見られたら分かる仕組みになっていて、シールそのものに張り替え防止の為の番号が印字されているという。
そして防犯アドバイザーは、何より大切なのはカギの扱い方だと指摘する。
防犯アドバイザー・京師美佳さん：
やはり、カギを表に出さない努力をしていただくこと。肌身離さず、人の目に触れないように財布とともに一緒に扱っていただく方が良い。条例とかすぐに対応できるようなところで（合鍵を作る際）身分証を義務づけるような動きをしていただけると、より効果があるのではないか。
勝手に合鍵を作られないために、自分の身は自分で守るしかないのが現状だが、今後は法的な整備の検討も必要なのかもしれない。
（「イット！」8月5日放送より）