夏祭りの打ち合わせの最中に起きた惨劇 ”サバイバルナイフ”男が乱入し1人死亡 いまだわからぬ犯行動機 農業従事者の集まりで接点

静岡県静岡市で夏祭りに向けた会合の最中に殺人事件が起きました。刃物を手にした男はなぜ公民館で凶行に及んだのか?警察が捜査を進めています。

鈴木衣緒里 記者:
午前11時20分、現在も現場となった公民館で鑑識作業が続けられています

静岡市駿河区の中島浜公民館では8月4日朝から本格的な鑑識作業が始まり、警察が当時の状況を調べています。

地域住民が集まる会合で事件は2日の夜に起きました。

110番通報:
刃物を持った男が入ってきて暴れている。ひとり背中を刺された

午後7時から公民館で行われたのは「夏祭り・盆踊り大会」の打ち合わせ。

地区の組長や役員など約50人が集まる中、自治会連合会で会長を務める男性(78)が刺され、病院で死亡しました。

男性は静岡市の元幹部職員で2006年には都市局の局長として市議会に出席し、「街の交通環境」について議員の質問に答えていました。

定年後には地域で自治会の活動や農業などに取り組んでいたと言います。

男性を知る人:
本当に人格者。町内を引っ張ってくれる良い人でした

男性を知る人:
温厚な人。非常に良い感じな人。本当にびっくりしました

男性を知る人:
私の知っている範囲では悪く言う人はいない

刺された当時 男性には意識があり、周りの人に支えられて1階へ下り救急車の到着を待ったということです。

しかし、事件から約3時間後に病院で死亡しました。

地域で信頼を集める人に何が起きたのか?

現場に居合わせた人が当時の状況や恐怖について話してくれました。

男が入ってきたのは会合が始まって30分ほどが経ち、終わりに差しかかった時だったと言います。

会合の出席者:
一番後ろの入口から入ってきたので、遅れてきた組長か誰かが入ってきたのかなと。顔は知っていたので、あの人組長だったかなと

部屋に入ってきたのは近所に住む男(50代)でした。

会合の出席者:
とくに大声を出すわけでもなくスーッと行ってナイフで刺したみたいで、何か黒い物を持っていたなと。ナイフだったんでしょうね。入ってくる時も黙って無口だったと思う

会合の出席者:
カバンからナイフを出したんだろうと。30~35センチの1本長いのが、短いのが20~25センチ

サバイバルナイフのようなものを持っていた男は後方のドアから部屋に入ると、後ろの方に座っていた男性のもとへ真っすぐ向かいます。

そして、背中を刺したあと逃げようとした男性を追いかけ、今度は腹部を刺したと言います。

会合の出席者:
(男性は)相当出血していたのでやばいなと

一部の出席者がとっさに男を確保したと言います。

会合の出席者:
ナイフをよこしなさいと言いながら7~8人でイスをさす股のようにして、足をがんじがらめに動かないようにして押し込めた

その後、一部の出席者が机やイスでバリケードをつくり、男を部屋の隅に閉じ込めたと言います。

会合の出席者:
たまたま近かったから、机をドーンと相手にぶつけた。そしたらよろけて、西側のガラス窓にこうなった(寄りかかった)その時にみんなでバーっと行ってバリケードを作れと言った記憶があります

襲われたのは男性だけで他の出席者にケガはありませんでした。

会合の出席者:
今回のように凶行に及ぶようなトラブルというのは聞いたことなかった

土曜日に行われるはずだった夏祭り・盆踊り大会は中止されることが決まりました。

また、2人は農業に従事する集まりで面識があったことがわかっています。

男(50代)は男性を刺したあと自らの首を切り付け病院に入院していて、警察は回復を待ち事情を聴く方針です。

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