北アルプス中遠見山付近(標高約2000メートル)で大阪市の会社員の58歳男性が体調不良のため行動不能になり、ヘリコプターで救助されました。
男性は8月2日、2人パーティで中遠見山を下山中に体調不良になり行動不能になりました。
警察によりますと、通りがかりの登山者で女性の看護師が心肺停止の状態で倒れていた男性に心臓マッサージをして、心拍が再開しましたが、意識が混濁状態で、午前11時半頃、警察に救助要請しました。
長野県警ヘリが出動し、午後1時前に男性を救助、会話ができる状態だったということです。その後、男性は松本市内の病院に搬送され、命に別条はないということです。
長野県内の山岳では遭難が相次いでいます。長野県警によりますと、遭難の多くは、下山時に集中しています。
特に今の時期は、気温や高度差で体力を消耗し、疲労とともに注意力も散漫となって、整備された登山道でも浮石やガレ場などでちょっとした不注意でバランスを崩して転倒することがあります。
もうすぐゴールと油断しがちなタイミングこそ、最大のリスクが潜んでいると考え、最後まで気を抜かずに登山をするよう呼びかけています。
長野県内は夏本番の厳しい暑さとなっていて、標高の高い山でも疲労や熱中症などで動けなくなることがあります。
県警は「自分の技量に見合ったルート選びをする」「余裕ある登山計画を立てる」「こまめに休憩を取り、意識して水分・エネルギーを補給する」「下山するまで体力や集中力を切らさない」ことなどを呼びかけています。