水辺のレジャーを楽しむ人が増える一方で、注意が必要となる水難事故。新潟県内でも川で小学2年の男子児童が死亡する事故が発生している。事故があった場所で、その危険性について専門家を取材した。
小学2年の男児が五泉市の川で死亡 川遊び中に溺れたか
7月20日午後4時すぎ、新潟県五泉市赤羽の早出川で新潟市東区の小学2年の男児(7)が川の中に沈んでいるのを、1人で泳いでいた20代男性が発見し、救助した。
男児は意識不明の状態で新潟市の病院に搬送されたが、その後、溺死による死亡が確認された。

警察などによると、男児は家族4人で水遊びに訪れていて、救助される30分前から男児の行方が分からなくなり、家族が捜していた。
この場所は地元では人気の川遊びスポットとなっていて、当時バーベキューなどをする人が多くいたという。
地元住民からは「昔から深いので、子どもたちにはライフジャケットを着せて遊ばせている」「子どもが沈んでいた場所は2m近く、深い場所があり成人男性でも足がつかない」「何度かこの場所で溺れて救急車がたくさん来たことがある」などといった声が聞かれた。
専門家に聞く海や川の危険性
「この川の特徴として急に深くなっていて、見た目より深い」こう話すのは、水難学会で理事を務める長岡技術科学大学大学院の斎藤秀俊教授だ。

事故のあった早出川に訪れた斎藤教授は「川の透明度が高く、水深1m以上ある場所も川底が見えるため、子どもは50cmほどと認識し、そのまま歩いて足を取られ溺れてしまう」と事故が起きる原因を分析する。
また、流れが穏やかな川や波がない海だからこそ安全に見えてしまうため、深さを確認せず溺れてしまうことがあると水辺の危険性を訴えた。
海や川で遊ぶ時の注意は
斎藤教授に水難事故に遭わないために気をつけるべきことと、万が一溺れている人を見かけた場合の対応について聞いた。

「どうしても家族連れで来る、小さい子どもと来る場合、ちょっと目を離すと子どもが溺れる可能性があるということは注意してほしい」
子どもが水難事故に遭わないために、親は目を離すことがないよう細心の注意を払うよう呼びかけた。
また、大人も子どももライフジャケットを着用し、安全に遊ぶことが大切だという。
さらに、万が一溺れている人を見かけた際は慌てて飛び込まず、浮き輪や空のペットボトルを投げ、声をかけながらすぐに消防などに通報するよう呼びかけた。
数日後には47歳男性が海水浴場で溺れて死亡
7月23日には柏崎市の海水浴場で長岡市の47歳男性が溺れているのが見つかり、救助されたものの、死亡が確認された。
県内でも相次いで発生している水難事故。
命を守るため、安全面に十分注意をして、1人1人が水辺の危険性を意識し、楽しむことが大切だ。
(NST新潟総合テレビ)