広島・長崎の記録を未来へ…原爆の白黒写真を最新AI技術で“カラー化” 戦争の記憶を風化させないための新たな試み

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広島・長崎の記録を未来へ。最新のAI技術が、戦争の記憶を鮮明に蘇らせる試みが進行中です。戦後80年が経過し、記憶の風化が進む中、白黒の原爆写真がカラー化されることで、その衝撃が今、私たちの目の前に迫っています。

1945年8月6日、広島に投下された原爆の瞬間を捉えた写真は、巨大なキノコ雲を映し出しています。この白黒写真が最新のAI技術によって色を付けられ、青空の中に立ち上がる様子や、オレンジ色に染まる雲が目の前に広がります。同じ瞬間でも、カラー化によって受ける印象は全く異なり、戦争の悲劇がより生々しく伝わってきます。

川崎市平和館で開催中の特別展では、広島と長崎の被爆写真がカラー化され、観客に新たな視点を提供しています。東京大学大学院の渡辺秀教授の研究室と協力し、AIが230万組以上の画像を学習し、白黒写真に適した色を自動で付ける技術が導入されています。違和感のある部分は専門家の手で修正され、より正確な再現が実現されています。

渡辺教授は、記憶の継承におけるカラー化の重要性を強調し、「80年前の出来事を今の私たちの状況と重ね合わせ、平和な時代を築くメッセージを受け取ってほしい」と述べています。この新たな試みは、戦争の記憶を風化させることなく、未来へと伝えていく力を秘めています。

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