福岡県筑後地方の飲食店で男女2人組による悪質な行為が相次いでいることがTNCの取材でわかりました。
どんな行為なのか、2人組が訪れた複数の店を取材しました。
渦中の2人組を捉えた防犯カメラ映像。
7月14日昼すぎ、柳川市内のラーメン店に赤いシャツを着た男性が現れました。
男性は食券を販売している券売機の前に立ちますが、5分たっても食券を買わず…。
そこへ女性が姿を見せると、男性はようやく食券を購入してテーブルへと向かいました。
◆ラーメン店 店主
「一番奥の見えないところに座った。女の人が手前で、奥に子供と男の人がいた。その時の注文が普通ラーメン2杯、大盛りラーメン1杯だった」
注文を受けた店主はラーメン3杯を作り、提供しました。
するとしばらくして、男性が店員に「ラーメンに紙が入っていたんだけど」と、クレームをつけてきたといいます。
店員が確認すると、スープも飲み干された2つのどんぶりの中にちぎられたような紙が1枚ずつ入っていたといいます。
店主はすぐに不審に思ったと言います。
◆ラーメン店 店主
「スープもこしてからしか入れない。(紙は)絶対入ることがない。わざといれない限りは」
さらに店主が2杯のラーメンに混入していたという紙の切れ端を確認すると、さらに不審感が…。
◆ラーメン店 店主
「コピー用紙をビリっと破いたような感じの長いやつをそれをまた半分にしたようなのが1個ずつ入っていた。これは何だろうかと確認したら(紙が)1つにつながるからこれはおかしい、これはわざとだなと」
しかし、店主は2人組がわざと紙を混入させたという証拠がないため、おわびをしたといいます。
◆ラーメン店 店主
「厨房にいたらトイレの角で見られない。客に(紙が)入っていると言われたら、何かしないといけないからドリンクをサービスした」
2人組は「おわびに」と店が提供したドリンクを飲み、店をあとにしました。
実はこの2人組によるものとみられる同様の行為は、近くにあるうどん店でも起きていました。
◆うどん店 店主
「ここに貼っている。みんながここで作業するので、ずっと顔が見えるところのほうが頭に入るかなと思って」
店の厨房に貼られている画像は、ラーメン店に現れた男性と同じ人物のようです。
男性はこのときも女性と一緒。
店を訪れたのは今年3月ごろのことだったと言います。
◆記者リポート
「防犯カメラがレジの上に1つと、お手洗い付近にもう1つあるのですが、カップルは防犯カメラの死角となる座敷の席に座ったということです」
男性は「ミニうどん付き牛丼」を注文。
そしてほぼ食べ終わったころ、この店でもラーメン店と同じく、丼の中に紙が入っていたとクレームを付けた男性。
店では混入していたというその紙を保管していました。
◆うどん店 店主
「ストローのカバーというか、そういう感じの素材。どこを探しても店の中にはこの素材の紙はない」
店は謝罪し、代金1030円を受け取らなかったということです。
それから2カ月後…、これに味をしめたのか2人組は再び店にやってきました。
男性はまた「ミニうどん付き牛丼」を注文。
そして食べ終わると…。
◆うどん店の店員
「ピンポーンと鳴らされて行ったら、『紙が入ってました』と言われたので、あ!あの1回目の人だと思った。『作り直しましょうか?』と聞いたけど、『もう食べられない』みたいな」
◆うどん店 店主
「お代は、すいませんということで無し」
店員にラーメン店に現れた2人組の映像を見てもらうと…
◆うどん店の店員
「この人、この人です!1回目はこの女性の方とおふたりで、2回目は3人」
TNCの取材によると2人組は2年ほど前から筑後地方の飲食店に出没し、紙などの「異物が商品に入っていた」と相次いでクレームをつけていることが分かりました。
筑後地方で悪質な行為を繰り返している2人組。
警察は「被害があった場合はすぐに110番通報か交番に相談してほしい」としています。
防犯カメラの死角をねらったか
TNCの取材では筑後地方の4つの店で被害が確認されていますが、いずれのケースもラーメンやうどんをスープまでしっかり飲み干した後に「紙が入っていた」とクレームをつけていました。
そして、取材した範囲で共通している点が、食事をする様子が全て防犯カメラに映っていませんでした。
カメラの死角を狙って座り、紙を混入させていた疑いもあります。
飲食店の方はもし同様の被害が確認されたら、警察に相談するようにしてください。