中央アルプス千畳敷付近(標高約2700メートル)で東京都世田谷区の71歳の女性が体調不良により行動不能になり、救助されました。
女性は23日、仲間と5人で中央アルプス千畳敷から入山し、八丁坂を登山中、体調不良により行動不能になりました。
同行者から午後1時20分頃、「仲間の女性が具合が悪くて動けない」などと駒ケ根警察署に救助要請がありました。
中央アルプス地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が女性を救助、駒ケ根市内の病院に搬送されました。
女性は頭痛や吐き気などの症状を訴えていましたが、けがはない模様です。
長野県内の山岳では遭難が相次いでいます。長野県警によりますと、遭難の多くは、下山時に集中し、特にこの暑い時期は、登山者が気温や高度差により体力を消耗し、疲労とともに注意力も散漫となり、整備された登山道でも、浮石やガレ場などちょっとした不注意でバランスを崩し、転倒したりすることがあります。もうすぐゴールと油断しがちなタイミングこそ、最大なリスクが潜んでいるため、最後まで気を抜かずに登山するよう呼びかけています。
県内では、夏本番の厳しい暑さとなっていて、標高の高い山域でも、気温が上がり、疲労や熱中症などにより動けなくなり、暑さと疲労で集中力が低下して、転倒や滑落のリスクも非常に高くなります。
県警は「余裕ある登山計画を立てる」「こまめに休憩を取り、意識して水分・エネルギーを補給する」「下山するまで体力や集中力を切らさない」など注意を呼びかけています。