テレビ朝日の看板ニュース番組「報道ステーション」のチーフプロデューサーを務めていた桐永洋氏が、2019年9月にセクハラ問題で解任される騒動が発生しました。問題の発端は、2019年5月に女性アナウンサーに対して無理やりキスをするなどの行為があったとの疑惑です。これにより、桐永氏は約10名の女性スタッフからの証言を受けてコンプライアンス室による調査が行われました。
桐永氏は、報道番組の最高責任者としての立場を利用し、女性スタッフに対して不適切な行為を繰り返していたとされています。具体的には、飲み会でのセクシャルな発言や、個室での密接な接触が報じられています。特に、森洋子アナウンサーとの飲み会後、路上での抱きつきやキスがあったという事例が注目を集めました。
調査の結果、桐永氏は2019年8月末に3日間の謹慎処分とともにチーフプロデューサーを解任されました。テレビ朝日内部では、当初隠蔽を図ったとの指摘もあり、報道機関としての信頼性が問われる事態となりました。社内でのセクハラ問題が明るみに出る中、視聴者からは「ダブルスタンダードではないか」との批判が高まりました。
被害を受けた女性たちは、今もなおテレビ朝日で働いている者もいれば、他部署に異動した者もいます。特に森アナウンサーはこの事件を笑い話にしているとの証言も聞かれる中、彼女たちが声を上げることができたのは桐永氏の行為がきっかけとなったとの意見もあります。
今回の事件は、メディア業界におけるセクハラの問題を再浮上させる形となり、業界内でのハラスメント防止策やコンプライアンス強化が求められる重要な契機となっています。今後、テレビ朝日がどのように問題に対処していくのか、引き続き注目が必要です。