
経済産業省
本の流通コスト低減を目的に、出版業界で返品を減らす方法を検討する第1回「返品削減研究会」が24日、経済産業省で開かれた。政府が今月発表した「書店活性化プラン」に盛り込まれた施策の一つ。
研究会は、産業界の構造分析に詳しい早稲田大の沼上幹(つよし)教授(経営学)が座長を務めた。ほかに書店や出版取次、出版社、印刷会社から計15人が委員として参加し、非公開で行われた。
出版業界は、一定期間内ならば書店で売れ残った新刊本や雑誌を出版社に返品できる委託販売制度が取られている。2024年の返品率は書籍が33・2%、雑誌が43・8%と高く、その流通コストが書店や出版取次の経営を圧迫している。
この日は、事務局を務める経産省の担当者が流通の現状や課題などを報告し、各委員は返品問題についての認識や取り組む対策などについて発表した。流通状況を把握するため、本につけるICタグの有効性などに言及した参加者もいたという。
研究会は全3回をめどに開いた後、成果をとりまとめる予定。