プロレス界がついに動いた!選手の命を守る新たな補償制度の設立に期待高まる!

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新日本プロレス、全日本プロレス、プロレスリング・ノアなど国内の主要団体が一致団結し2023年12月に設立した「日本プロレスリング連盟」(UJPW)が1月20日に「一般社団法人」となったことを発表した。

同連盟は「プロレス団体間での共通課題の解決を主軸に据えることを想定しています」とし「安全面・医療面などに関する共通ガイドラインの策定や選手に対する各種の研修の実施を想定しています」と明かした。

過去にプロレス界は、09年6月13日にプロレスリング・ノアの三沢光晴さんが試合中の事故により46歳の若さで亡くなった。また、トップレスラーとしてさまざまな団体で活躍した高山善廣が17年5月4日に試合中の事故で頸(けい)髄完全損傷などの負傷で現在も入院している。ゼロワンの大谷晋二郎が22年4月10日に試合中に頸髄損傷し長期療養している。

業界をあげて事故をなくす努力は無論だが、起きてしまうことを想定し、その際の補償を定めることが急務だろう。これまでの取材で試合中のけがで長期欠場を余儀なくされた家族から「長期の治療で必要なのは、何よりもお金です」との切実な声を聞いた。

選手の補償制度に代表理事の高木三四郎は「各団体と連携を取ってやっていきたい」と明かした。ボクシング界では、1957年にコミッションが選手のファイトマネーから健康保険見舞金という形で事故が起きた時の「補償」を積み立ててきた。今回の法人化を機にプロレス界も各団体が興行収益の一部を積み立てるなどの具体的な制度を早急に定めてほしい。

プロレスにとってレスラーは宝だ。唯一無二の存在を守るべく「日本プロレスリング連盟」のこれからに期待したい。

(プロレス担当・福留 崇広)

福留 崇広(ふくとめ・たかひろ)1992年入社。現デジタル編集部。「さよならムーンサルトプレス」(徳間文庫)などWEBで連載したプロレス著書多数。

報知新聞社

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