あまりに大きな痛手
ヤクルトが球団マスコット「つば九郎」を長年支えた球団スタッフが逝去したと発表してから、想定外の事態に現場は混乱している。
「復帰はかなり厳しいと聞いていたが、本当にこんな早くに亡くなるなんて辛すぎます……」
スタッフをよく知る球団OBは言葉を詰まらせながら、人気キャラクターに寄り添ったスタッフの死を悼んだ。
「つば九郎は2月1日の沖縄県浦添市でのヤクルト1軍キャンプを盛り上げるために沖縄に滞在。球団OBとのイベントにも参加して帰京するタイミングで倒れたそうです。毎日更新していたブログは2月3日を最後に途絶え、6日には球団が体調不良による長期休養を発表していました。
2月下旬からのオープン戦などすでに決まっている仕事も多かったのですがすべてキャンセルとなり心配されていました。19日の球団発表も〝スーツアクター〟が亡くなったとわざわざ発表すること自体異例のこと。いかにつば九郎が愛されていたかがよくわかります」
つば九郎の人気はグッズ売上にも表れた。関連グッズはレギュラークラスの選手をしのぐ勢いで、飛ぶように売れていたのだ。
「オフにはソフトバンクのハリーホーク、中日のドアラと一緒にディナーショーを開催することが恒例になっていました。また、つば九郎の契約更改も、ネタ薄のオフシーズンには貴重な話題だった。さらにキャラクターの二次利用による収入も大きかった。当面は妹のつばみちゃんが球場イベントの代役を務めることになりますが、それもいつまで続くのか……」
球団としては、亡くなったスタッフに最大限の敬意を払いつつ、大きな収益源であるつば九郎を一刻も早く復活させたいのだという。ただ、そう簡単にはいかないようで……。
「つば九郎が人気を誇った理由は、ゆるキャラながら絶妙なブラックジョークを織り交ぜた高度なフリップ芸を完成させていたから。機転を利かせてパフォーマンスしなければ務まりません。またスケッチブックに書かれていた字は癖があり、それを再現するのは至難の業です。
そこで、一部ファンから〝畜生ペンギン〟と呼ばれて愛されているキャラ設定自体を変えようというプランが球団内では浮上しています。コンプライアンスを遵守しつつ、ファンから親しまれやすいように子供キャラに路線変更するという話も出ているとのこと。ほかにも、まったく別の新たなキャラクターを一から作る案も出ています」
球団スタッフが逝去してからも選手、有力OB、タレントからの悼む声は止まない。彼を失った影響は、あまりに大きい。
FRIDAYデジタル