韓国映画「大統領暗殺裁判 16日間の真実」22日に全国公開 歴史的事件にチョ・ジョンソクがオリジナルキャラで担った役割

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 韓国映画・ドラマ界を代表する豪華俳優陣が出演した映画「大統領暗殺裁判 16日間の真実」(原題「幸せの国」)が、8月22日(金)より全国公開される。

 本作は、韓国近代史の中でも大きな歴史的事件である10・26の大統領暗殺と、12・12の軍事クーデターに巻き込まれた3人の男を、一部フィクションを交えて描いた作品だ。その中の一人である、弁護士のチョン・インフ役を演じたチョ・ジョンソク(44)が、日本公開を記念して、デイリースポーツのインタビューにオンラインで応じた。

 同作の出演オファーを受けたチョ・ジョンソクは、シナリオを読み終えると「『お引き受けします』ではなく、『ぜひ僕に、チョン・インフをやらせてください』という感覚でした」と明かす。自身がこれまでに演じた役や、出演した作品とは「違うキャラだと感じた」のだと言い「新たな役にチャレンジしてみたいと思ったし、何よりストーリーが面白かったんです」と出演理由に言及した。

 チョ・ジョンソク演じるチョン・インフは、物語の中で唯一のオリジナルキャラクター。目的のためには手段を選ばない、個人主義の弁護士だ。「エゴイストだったインフは、韓国で史上最悪と言われた政治裁判に飛び込み、イ・ソンギュンさんが演じた愚直な軍人、パク・テジュと出会い、利他主義へと変化していくのですが、そのプロセスはオリジナルキャラだった分、表現の自由度は高く、良い意味で演じやすかったです」と述懐した。

 「大統領暗殺裁判」は重厚感のある作品ではあるものの、時折クスっと笑えるシーンが登場する。そこには「オリジナルキャラだからこその役割があった」と言う。「テーマが非常に重みのあるものなので、インフだからこそ劇中で担っていたものがあったと思っています。観客がその世界に深く沈みこまないように、ストーリーをきちんと追いかけられる先導者というか。僕は少なからず、そう解釈してインフを演じていたし、(脚本と演出を手がけた)チュ・チャンミン監督も近い意図を持っていたと思います。だから、同じシーンでもユーモラスに演じてみたり、笑顔を封印してみたりと、さまざまな試みで何度もテイクを重ねました」とエピソードを語ってくれた。

 そんなシリアスな物語を撮影しながらも、現場は「終始楽しかった」と振り返る。「出演者のほとんどが親しい方たちだったので、現場では本当によく笑っていました。みんな本番直前まで談笑しているのに、いざカメラ前に立つと表情がガラリと変わるので、その姿さえも面白かったです」と笑顔を見せた。

 劇中、インフの所属する弁護団は何度も理不尽な出来事に直面するのだが、チョ・ジョンソク自身は理不尽な場面に遭遇した場合、どのようなリアクションをするのか尋ねると「感情的になるタイプ」と返答。そして「そうなった場面で手綱を引っ張ってくれるのが、妻(歌手のGummy:コミ)なんです。僕は大きな事件で感情的になり、些細なことには冷静ですが、妻は正反対のタイプなんですよ(笑)」と、甘いエピソードを教えてくれた。

 そして最後に、日本の映画ファンへ「『大統領暗殺裁判 16日間の真実』は、韓国の歴史的事件の裏側、隠されたストーリーが描かれているので、きっと日本の皆さんにも楽しんでいただける作品だと思います。たくさんの関心を寄せていただけたらありがたいです」とメッセージを送った。

 ◇チョ・ジョンソク(ちょ・じょんそく) 1980年12月26日生まれ。04年にミュージカル「くるみ割り人形」で俳優デビュー。12年に出演した映画「建築学概論」では、出演シーンが少ないながらも強い印象を残し話題に。以降、数多くの映画・ドラマで活躍し、最近はNetflix「賢い医師生活」が日本でも大きな人気を集めた。

「大統領暗殺裁判 16日間の真実」

8月22日(金)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて全国公開

キャスト:チョ・ジョンソク(「賢い医師生活」)、イ・ソンギュン(『パラサイト 半地下の家族』)、ユ・ジェミョン(『劇映画 孤独のグルメ』、「梨泰院クラス」)

監督・脚本:チュ・チャンミン(『王になった男』)

配給:ショウゲート

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