北アルプスで遭難5件相次ぐ 1人安否不明 1人重傷、2人が道迷い、1人が体調不良で行動不能となりヘリコプターなどで救助 長野県警が注意呼びかけ

16日、北アルプスで山岳遭難が5件相次ぎ、1人が安否不明となっています。また1人が重傷を負い、2人が道迷い、1人が体調不良により行動不能となり救助されました。長野県警は「自分の技量に見合ったルート選びをする」「余裕ある登山計画を立てる」など注意を呼びかけています。

■鹿島槍ヶ岳 女性が滑落 安否不明

北アルプス鹿島槍ヶ岳付近(標高約2500メートル)では愛知県小牧市の看護師の51歳女性が滑落して、安否不明となっています。

警察によりますと、16日午前9時前、「同行者が滑落した」と110番に通報がありました。

女性は15日、3人パーティで入山し、八峰キレット付近で滑落したということです。

長野県警のヘリコプターが出動しましたが、天候不良により中断しました。

警察によりますと、女性とは連絡が取れておらず、安否は不明です。

天候をみて、17日、県警ヘリなどで救助する予定です。

■天狗ノ頭付近 滑落して重傷

北アルプス天狗ノ頭付近では埼玉県越谷市の会社員の65歳男性が滑落し、大けがをして、ヘリコプターで救助されました。

男性は16日、北アルプス唐松岳に登山中、天狗ノ頭付近の登山道上(標高約2700メートル)で足を滑らせてバランスを崩して滑落しました。

午前7時過ぎ、同行者から消防に救助要請があり、午後0時半ごろ、長野県消防防災ヘリで男性を救助し、松本市内の病院に搬送しました。左手の骨折などで重傷です。

男性は15日、2人パーティで猿倉登山口から入山していました。

■槍ヶ岳 道に迷い行動不能

北アルプス槍ヶ岳の北鎌尾根(標高約2700メートル)では静岡県浜松市の会社員の46歳男性が行動不能となり、ヘリコプターで救助されました。

男性は16日、北鎌沢付近を登山中、道に迷い、北鎌尾根の急峻な場所に入り込み、行動不能になりました。

男性の関係者から午前7時頃、「動けなくなり、登れないし、下れない」と警察に救助要請があり、長野県警ヘリが出動し、午前11時過ぎに、男性を救助しました。

男性にけがはない模様です。

男性は14日、単独で上高地登山口から入山していました。

■唐松岳 道に迷い行動不能

北アルプス唐松岳では埼玉県さいたま市の28歳男性が登山中に道に迷い、行動不能となり、救助されました。

男性は16日、唐松岳付近を登山中、道に迷い登山道から外れ、行動不能になりました。

通りがかりの登山者から正午前、「男性がぬかるみにはまって、動けない」と長野県山岳遭難防止常駐隊に救助要請があり、同隊員が出動して、午前11時半ごろ、男性を救助しました。

男性にけがはない模様です。

■小蓮華山 体長不良で行動不能

北アルプス小蓮華山では、登山していた東京都武蔵野市の会社員の女性が体調不良により行動不能となり、救助されました。

女性は16日、小蓮華山付近を登山中に体調不良により行動不能となりました。

警察によりますと、午後3時半頃、本人から「めまいと頭痛がする」と消防に救助要請がありました。

長野県山岳遭難防止常駐隊が出動して、午後7時過ぎに女性を救助し、付近の山小屋に収容しました。

女性は16日、2人パーティで栂池登山口から入山していました。

■県警が注意呼びかけ

連日、長野県内の山岳では遭難が相次いでいます。県警は「自分の技量に見合ったルート選びをする」「余裕ある登山計画を立てる」「夏でも雨や強い風にあたると低体温症になる」「こまめに休憩を取り、意識して水分・エネルギーを補給する」「下山するまで体力や集中力を切らさない」など注意を呼びかけています。

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