「広瀬すずがなかなか出てこない」 「ちはやふる-めぐり-」の低視聴率に日テレが青ざめる

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 期待の夏ドラマが急下降――。の主演で大ヒットした映画「」の10年後を描いたドラマ「―めぐり―」()。その第5話(8月6日放送)のが2・7%に急落した(ビデオリサーチ調べ、関東地区、世帯:以下同)。

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 2・7%といえば、低で名高いTBSの朝のバラエティ「ラヴィット!」や、フジテレビの昼のバラエティ「ぽかぽか」と大して変わらない数字だ。だが、「」が放送されているのは水曜夜10時のプライム帯である。日テレ関係者は言う。

「それだけに結果を知った日テレの編成部とドラマ部は静まりかえったと聞きます。プライムタイム(夜7~11時)は、スポンサーに高値で広告枠を買ってもらっている時間帯ですからね。日テレとしては、たとえ朝や昼の時間帯でもあってはならない低なので愕然としたことは想像がつきます」

 競技かるた(百人一首)に青春をかける高校生たちを描いた「」は、累計2700万部を突破した末次由紀氏による少女漫画が原作。まずは2011年に日テレでアニメ化され、第3期まで放送された。映画版は16年にの主演で「―上の句―」と「―下の句―」に分けて公開されて大ヒット。18年には完結編「―結び―」が公開され、シリーズ最高の17億3000万円の興収を記録した。

「その続編である連ドラ版『―めぐり―』は、成功が約束された“テッパンもの”だったはずです」

 もっとも、連ドラ版は初回からそれほど数字がよかったわけではない。7月9日放送の第1話は5・2%でスタート。以後、第2話は4・3%、第3話は4・2%、第4話は4・1%と続いて、第5話で2・7%にガクンと落ちた。

直接対決を避けた日テレ

「この日は80回目となる“広島原爆の日”でしたが、夜10時台の特番は『NHKスペシャル』しかありませんでしたし、日テレでは『バスケットボール男子アジアカップ』の中継が押したため『』は5分遅れで始まったものの、それが影響しているとも思えません。急落の原因が不明です」

 とはいえ、同じ水曜ドラマ枠で放送された前作「恋は闇」は平均4・0%と振るわなかった。

「『家政婦のミタ』や『ハケンの品格』『ごくせん』など多くのヒット作を放送してきた水曜ドラマ枠ですが、1年間だけ中断されていた時期があります。22年にフジが真裏にドラマ枠を復活させたことで、日テレは昨年4月、水曜夜10時台のドラマ枠を土曜夜9時台に引っ越したのです」

 日テレが敗れたということだろうか。

「日テレとフジの直接対決と注目されましたが、日テレが負けたのは23年4月期の『それってパクりじゃないですか?~新米知的財産部員のお仕事~』(平均4・2%)がフジの『わたしのお嫁くん』(平均5・6%)を下回った1回きりでした。それでも、表裏でコア層(13~49歳)の視聴者の奪い合いを避けるために移動させたそうです」

 おかげで日テレの土曜夜は、9時台(土ドラ9)と10時台(土ドラ10)のドラマ2段積みという形になった。

「あんぱん」の原菜乃華がライバル役

「24年4月期は、土ドラ10の第1作として小学館の雑誌で連載された漫画をドラマ化する予定でした。ところが、前年10月期に放送された日曜ドラマ『セクシー田中さん』の原作者が、脚本のトラブルが原因で自殺。その影響で同じ小学館が発行元の漫画が使えなくなってしまいました。そこで急遽、森本慎太郎(SixTONES)を主役に『街並み照らすヤツら』を放送したのですが、第9話で2・1%という日テレのドラマ史上最低のを記録してしまいました。それ以降のドラマも不振だったため、今年4月に土曜夜10時台のドラマ枠が廃止され、元の水曜夜10時に戻ってきたというわけです」

 出戻った先でも調子は戻らなかったということか。

「前作の『恋は闇』は改変初作だから仕方ないと見られていました。それだけに『』は期待されていたし、自信もあったはずです」

 なぜ数字が取れないのだろう。

「映画が当たったのは9年も前です。それに百人一首は小難しいので、老若男女が喜んで見るということにはならないのでしょう」

 そもそも主演が広瀬ではない。

「今回の主演は當真あみ(18)。まだ若いですが、23年の大河『どうする家康』(NHK)では家康(松本潤)の娘・亀姫役、24年1月期の日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』(TBS)では指揮者を目指す高校生役で評判を呼びました。今回の『』では、長期積み立て投資が趣味で早期退職こそ人生の最適解というドライな高校生を演じています。彼女の母親役は内田有紀、父親役は要潤、さらに、朝ドラ『あんぱん』(NHK)でヒロインの妹役を演じて注目されている原菜乃華が主人公のライバル役として起用されています」

広瀬がなかなか出てこない

 連ドラ版には映画「」の競技かるた部OBも出演している。

「競技かるた部の顧問役の上白石萌音ほか、佐野勇斗、森永悠希、そしてライバル校の顧問役として広瀬も出演します」

 広瀬は原菜乃華が通う高校の顧問のようだが……。

「初回の終盤、上白石が広瀬に《私かるた部の顧問になりました!》とスマホでメッセージを送ると、《本当!? 最高だー!!! 一緒に近江神宮めざそうね!!》という返信がありました」

 近江神宮(滋賀県大津市)は競技かるたの全国大会の会場、いわば高校球児の甲子園のようなところだ。もっとも、このときなぜか広瀬はインドで現地の子供たちにかるたを教えている。

「事前に広瀬や原が登場すると喧伝していた割には、その後ちっとも出てこない。これでは“出る出る詐欺”と言われても仕方がない……。とはいえ、演出や脚本は決して悪くない。監督はじめスタッフは映画版『』を作った制作会社ROBOTが仕切っていますから、映画版同様、競技かるたの世界をハートフルに描いています。主演の當真はもちろん嵐莉菜はじめ級友たちの演技もいい。これでライバル役の原が本格稼働してくれば、最終話に向かってが盛り返す可能性も否定できません」

デイリー新潮編集部

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