フジテレビの港高一前社長が、過去に同局で放送されたバラエティ番組における重大な事故の隠蔽に関与していたことが明らかになりました。この情報は、ジャーナリストの中川一徳氏が入手した内部文書を基に、文芸春秋に掲載される予定の特集記事から得られたものです。
問題となった事故は、2004年1月19日に放送された「退屈貴族」という番組のロケ中に発生しました。この番組では、74歳の男性が火を点けたダンボールの上を歩く様子が映し出されましたが、彼は重度の火傷を負い、スタッフは病院に連れて行くことなく自宅へ送り返してしまいました。その後、彼の容体は急激に悪化し、最終的には死亡に至りました。
事故が起きた当時、番組の制作に関与していたスタッフは、事故を公表せず、視聴者からの批判を受けて初めて問題の存在に気づきました。その後、当時の政策部長やプロデューサーが男性の兄を訪問し、謝罪を行いましたが、事故の公表には至りませんでした。さらに、港氏は事故に関与したにもかかわらず、半年後には制作センターの責任者に昇進しました。
この件に関しては、過去の悪業が再び掘り起こされることが予想され、社会からの厳しい視線が注がれています。中川氏は、自らの調査を通じて、フジテレビ内での隠蔽の実態や、警察の関与についても言及しています。この事件は、メディアの倫理と責任について再考を促す重要な問題となるでしょう。フジテレビが今後どのような対応をするのか、注目が集まっています。