北アルプス北穂高岳で登山中に台湾の会社員の65歳女性が滑落し、けがをして、ヘリコプターで救助されました。
女性は24日、11人パーティで新穂高温泉から入山し、25日、槍ヶ岳から北穂高岳方面に登山中、大キレット付近(標高約3000メートル)で滑落してけがをしました。
午後3時半頃、パトロール中の長野県山岳遭難防止常駐隊員が「頭から出血している遭難者がいる」と松本警察署に連絡し、午後4時半頃、長野県警ヘリで救助、松本市内の病院に搬送しました。
女性は頭部にけがをしている模様です。
長野県内の山岳では遭難が相次いでいます。長野県警によりますと、遭難の多くは、下山時に集中し、特にこの暑い時期は、登山者が気温や高度差により体力を消耗し、疲労とともに注意力も散漫となり、整備された登山道でも、浮石やガレ場などちょっとした不注意でバランスを崩し、転倒したりすることがあります。もうすぐゴールと油断しがちなタイミングこそ、最大なリスクが潜んでいるため、最後まで気を抜かずに登山するよう呼びかけています。
県内では、夏本番の厳しい暑さとなっていて、標高の高い山域でも、気温が上がり、疲労や熱中症などにより動けなくなり、暑さと疲労で集中力が低下して、転倒や滑落のリスクも非常に高くなります。
県警は「余裕ある登山計画を立てる」「こまめに休憩を取り、意識して水分・エネルギーを補給する」「下山するまで体力や集中力を切らさない」など注意を呼びかけています。