名古屋市に新たな介護施設が開設され、中国から帰国した残留日本人たちが直面する言葉の壁と孤立の問題に光を当てています。この施設は、戦後の混乱で中国に取り残された日本人の高齢者たちに特化しており、彼らのニーズに応えるために設立されました。
84歳の小山洋子さんは、幼少期に家族と離れ、中国で育てられた残留日本人です。日本に帰国したものの、言葉の障害や文化の違いから、彼女を含む多くの高齢者が日本社会に馴染めずに苦しんでいます。「日本人として認識されず、中国人として扱われることが多い」と小山さんは語ります。
この新しい介護施設では、主に中華料理が提供され、スタッフは日本の介護資格を持つ中国人で構成されているため、言葉の心配がありません。ここでは、彼らが安心して生活できる環境が整っていますが、全国的にはこのような施設がまだまだ不足しているとの声も上がっています。
施設の代表である王洋さんは、残留日本人の高齢化が進む中、彼らを再び孤立させてはいけないと強く訴えています。「介護制度を知らない人が多く、もっと情報提供が必要です」と彼は語ります。今後、全国でこのような施設を増やす取り組みが急務であり、多くの残留日本人が安心して暮らせる未来を築くために、社会全体の協力が求められています。