2025年2月13日、C組のシートノックを見つめる小久保監督(右)
寂しい一時帰福だった。ソフトバンク小久保裕紀監督(53)が13日に筑後視察。宮崎との分離キャンプを行った22年以降で1軍監督が筑後に訪れたのは初だった。若手にとっては1日限りの絶好のアピール機会のはずだったが…。残念な光景もあった。
ウオーミングアップから目立った声が聞こえない。朝からおとなしい始まりだった。小久保監督は真横からジーっと見つめていた。ナインもその視線には気がついていたはず。個人的にはこの日だけでも声を出せば目立つのに、と思った。
小久保監督は「まぁまぁ…」と多くを語らなかった。全体集合のあいさつでは「自分との戦いが明暗を分ける。キャンプ中は自分との戦いに負けない時間に」と王会長の監督時代の言葉を引用してあいさつを行った。その金言さえも「みんなに響いてもらおうとは思っていない。響く人だけに響いてくれたらいい。1人でもそれで意識が変わってくれたら十分」と話した。
視察後の取材でも、目立ったのはドラフト4位の宇野真仁朗内野手(18=早実)と同5位の石見颯真内野手(18=愛工大名電)のフリー打撃だったと明かした。指揮官もルーキーには当然注目するだろう。それを飛び越えてくる、特に育成選手の名前が挙がってこなかったのは残念に思えた。
1~4軍、全員が同じ方向を向くことで組織は強くなると小久保監督は言ってきた。筑後にいようとホークスのユニホームを着たチームの一員だ。元気だけは見せてほしい。