フジテレビの株価が急上昇している背景には、SBIレオスが同社の株式を5%以上取得したことがある。約260億円を投じたこの動きは、フジメディアHDの企業価値の見直しを期待させ、株式市場に大きな関心を呼んでいる。特に、フジテレビのPBRが0.5倍を下回っており、資産価値と比較して割安と見なされていることから、投資ファンドの動きは大きな変化をもたらす可能性がある。

この株価上昇の重要な要因は、長年フジテレビを支配してきた比し氏の影響力の変化にある。彼は1980年代から経営に関与し、現在も取締役相談役としてその影響力を維持している。しかし、株主の圧力が高まる中、外部の意見を取り入れた経営改革が求められている。特に、外資系ファンドのダルトンが改革を強く訴えており、株主総会での経営陣の再編成が現実味を帯びてきている。

現在のフジメディアHDの経営陣は、冷え派で固められており、外部の意見をほとんど無視してきたが、今後の株主総会ではその状況が大きく変わる可能性がある。特に、約10%の自己株式があり、その分は議決権を持たないため、実際に投票権を持つ株主の割合が限られている。このため、SBIレオスやダルトンといった大口株主が連携すれば、経営陣の一新が現実のものとなるかもしれない。

さらに、フジテレビの広告収入問題も株価に影響を与えている。近年のスキャンダルにより、大手スポンサーが撤退しており、企業としての信頼回復が求められている。経営改革の気運が高まれば、新たなスポンサーが戻ってくる可能性もあり、企業価値の向上が期待される。

フジメディアHDは不動産や収益性の高いメディア部門を多く保有しており、適切な経営改革が進めば成長が見込まれる。今後の株主総会での議論が、フジテレビの未来を左右する重要な局面を迎えている。果たして、フジテレビは古い体質を脱却し、新たなスタートを切ることができるのか、注目が集まる。