【海のドクヘリ】北海道納沙布岬沖1000キロで台湾漁船の負傷者を緊急搬送―海のど真ん中で命をつなぐ―医師を乗せて巡視船そうやが「洋上救急」<第一管区海上保安本部>

 海上保安庁は8月21日、北海道納沙布岬の東方約1000キロ沖で負傷した台湾漁船乗組員の救助活動を行ったと発表しました。

 第一管区海上保安本部によりますと、8月19日午前11時45分頃、船舶代理店から第一管区海上保安本部運用司令センターに対し「台湾漁船『WIN FAR TSAIR No.616』の乗組員1人が負傷し、医療機関への搬送が必要なことから救助して欲しい」 と救助要請がありました。

 これを受け、海上保安庁は「洋上救急」制度を発動し、釧路海上保安部所属の巡視船そうやに、釧路赤十字病院の医師1人と機動救難士2人を乗せて出動させました。

 20日午後1時50分、巡視船そうやは納沙布岬の東約420キロの海上で台湾漁船と合流し、患者を収容。21日午前10時20分に釧路港に入港し、患者を釧路市消防本部救急隊に引き継ぎました。

 負傷したのは、インドネシア国籍の28歳の男性作業員で、右足大腿部の傷口が化膿していたということです。

 「洋上救急」制度とは、公益社団法人日本水難救済会が運営する「海の救急医療」システムで、洋上の船舶で緊急の加療が必要な傷病者が発生した際、巡視船やヘリにより医師を迅速に派遣し、可能な限り早く陸上の病院に搬送することを目的としています。